第一次スガイ大戦

その日の俺はきっと、どうかしてたんだ。


「まるでバーサーカーのようだ」
そう漏らしたのは誰だったか。
誰の手も借りず、ストライクフリーダムを自由自在に駆る彼はたしかに狂戦士そのものだった。
停滞ドラグーン、射出ドラグーン、マルチCSキャンセル、覚醒キャンセル。そのどれもが輝いていた。
およそ人の領域を超えた完璧な技術。
上級者?そんなもんじゃない。
あれは、そう。


プロフェッショナル。


普通の人間が彼を見ても口を揃えてこう言うだろう。
「あの人上手いね」と。
しかし、だ。
ある程度まで登りつめたプレイヤー達は気づいたはずだ。
あれは手に負える代物じゃない。異常の異常のさらに数十倍の異常だ。勝てるわけがない。
事実、彼を「上手い」としか思えなかった奴らは次々と、圧倒的なプレッシャーの前に散っていった。
彼は単騎。散っていった者の多くはペアであるにも関わらず、彼の勝利は揺るがない。
そして誰もが気づき始めた。そこに潜む怪物に。己が相手の恐ろしさに。
狩人は彼。獲物はここに存在する全て。
絶望的な戦いが始まろうとしていた、その時だった。


「お前なら・・・お前の伝説ならきっと」
そんな戦友の一言が俺に向けられた。


―――そこから、俺の戦いは始まった。